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オスロ、8月31日のRiNのレビュー・感想・評価

オスロ、8月31日(2011年製作の映画)
4.2
昔はつるんでいた仲間が、心が通じていたと信じていた友人が、なんでも打ち明けられる家族が、ふっと、音もなく消えるろうそくの火のように遠のく瞬間が切り取られたような、そんな映画でした。これ、しんどいわ。
でも、しんどさについて言葉や映像を重ねるような無粋な真似をする映画でも決してなくて、どこまでも淡々と、その日を描いた映画でした。淡々としているのだけど、音もない幾つかのシーンが、どうしようもなく心を打つのです。振り返るタイミングがずれるあのシーンなんて、もう、本当に、主人公のために泣きたくなるような。
この監督は本当に「ワンシーン」が上手。このシーンのためだけに観たいと思うシーンが、いくつもあるのです。

余談程度ですが、ルイ・マルの「鬼火」がテーマだそうで、そちらを先に見ておくと類似点がいくつもあってより理解しやすくなるかと思います。
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