セス・ローゲン出演作品とは思えない落ち着いたテイストのこじんまりしたほっこりロードムービー。異常に過干渉な母親を疎ましく思いながらも、ふとした出来心で母をアメリカ縦断の旅に誘ってしまい...
評価が一般的にイマイチなのは、批評などを見るとおそらくセス・ローゲンと設定でドタバタ珍道中を期待していまい、いざ鑑賞するとなんだコメディじゃないじゃんがっかりしたわ、ということのよう。
息子を大事に思って構いまくるトンデモ母なのですが、この映画の素晴らしいところは、そんな彼女をよくある大柄で家族を大き過ぎる愛で包むモンスターとして描くのではなく、オスカー女優バーブラ・ストライサンドを配し小柄でとても可愛らしい存在として描いているところです。だから二人の掛け合いがとにかくキュートで不快感が全くない。
もちろん、実際にここまでの親子関係の方は多くないはずとはいえ、程度の差はあれこういった親子の関係性におけるダイナミクスは誰しも思い当たる面があるのではないでしょうか?終盤のラスベガスでの商品プロモーションなど感動ポイントの展開は完全に予測可能なのですが、わかっていても十分に涙を誘い温かい気持ちにしてくれます。