くりふ

地下室の怪のくりふのレビュー・感想・評価

地下室の怪(1966年製作の映画)
3.5
【はじめての地下へのおつかい】

シュヴァちゃん1983年の不条理短編。少女が降りてゆくアパートの、地下に…え?

まず気になるのが、この制作年度。『E.T.』の翌年なんですね。主人公の少女と、当時は清純だった筈のドリュー・バリモアが、どうにも被るんです。あのシュールなシュヴァちゃんが、スピルバーグの影響を受けていたのか!?

でもコレ、ヒロインいぢめの映画だからな。E.T.ドリューをイジって遊んでる?地下室は食べ物を奪う場所。リーシーズのチョコを撒こうが、少女に優しいE.T.なんて現れないよと!

シュヴァちゃん映画にしては珍しく、少女の心情に寄り沿って進みますね。そして、幼少期の恐怖と不条理を巧みに混ぜて説得力がある。老人からの圧なんてのも、生々しいし。

本作の地下室は、現実にあるものというより、少女の恐怖を投影させる立体スクリーンなのでしょう。

大人になってからここに潜っても、何にも映らないような気がします。

『オテサーネク』の原型のようでもありますが、主人公の少女はドリューとよしこさんくらいに違います!ココも、シュヴァちゃん映画には珍しく、ヒロインに眺め甲斐あり!

<2023.7.18記>
くりふ

くりふ