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るろうに剣心 京都大火編のえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)
3.8
「るろうに剣心」映画版は見ずに見ました。原作コミックは冒頭数巻は読んでます。
結論から言えば見てなくても、登場人物の背景知っていたら問題なく本作世界理解は可能。丁寧親切すぎる説明台詞の多さもこれを助けている面は……それはないか。

映像、夜のシーンが明るいのは仕方ないとして(NHK大河の暗闇を撮る技術と比べると辛い)、京都の屋内のシーンなどは間接的な光の当て方をしていて自然な画となっていて良かった。
撮影技術の最先端は光ひとつでスタジオ撮影でもロケしたように見える水準まで来ている訳で、予算の問題はあるでしょうけどどんどん取り入れていって頂きたい所。
殺陣、剣心が殺陣をこなした直後に再び抜刀術にはいる姿勢になる所をうまくつないでいて決まっていた。ただそういうアクションの良さだけで「京都大火編」を持たせてしまった部分はありそう。

最大の問題はコミックスを直接翻訳しましたといわんばかりの台詞説明の連打。神社のシーンで心の中の叫びが声になっていて、それは見ていれば分かりますよねーと思わざるを得ず。観客バカにし過ぎの脚本。というか映画らしい画面で伝えるテクニックがほとんど使われておらず、世界を理解する楽しみを奪っているのが大変残念。

藤原竜也さんは演劇的な声を使うのでどれだけメーキャップしていても藤原竜也さんが中の人だと分かる問題があります。監督にとって非常に使い方の難しい人だと思うのですが、本作はやっぱり藤原竜也色で染めていてある意味さすが。
(まだ元気だった頃のシーンは別俳優の方が面白かったかもしれない。悪人をこなせる舞台俳優だと別の要素が出てほしい所ですし)

武井咲さんのシーンはどれもカメラが彼女に恋しているかのような撮り方をされていて、そこだけアイドル映画メソッドだなと思った次第。(いや、これは良かったです。制作側Good Jobと思いましたし)