ぬーたん

LIFE!のぬーたんのレビュー・感想・評価

LIFE!(2013年製作の映画)
4.2
3回目だけどやっぱり良かった。4年に1回は観たくなる、オリンピックのような映画。映画好きな母がお気に入りだったのがダニー・ケイ。『虹を掴む男』での主演で”ポケタポケタ”は忘れられない。このリメイクだけど、全く違う作品になっている。ベン・スティラーが監督と主演。コメディーもシリアスも上手い。ウォルターは冴えない地味な『LIFE』のフィルム管理者。空想にふける。その空想具合が半端ない。片思いの同僚を助けるスーパーヒーローになった自分を空想して、電車は乗り遅れるし上司に怒られるし。その女性シェリルをクリスティン・ウィグ。『ダウンサイズ』に出てた、割と平凡な感じの女優さんだが、その素朴な雰囲気がベンと合っている。キーマンであるジャーナリストでカメラマンのショーンにショーン・ペン。これはズルい!完全にかっこいい役。何処にいるかもわからず、ウォルターが追いかけるが、すんでのところでまた消える。観ているものも彼を追い駆けて、ようやく会えた時の感動は、恋焦がれた彼にやっと会えた気持ちになってしまう。役得だね、ショーン。そして何だか素敵。いつの間にこんな魅力的な俳優になったのだろう。ウォルターの母をシャーリー・マクレーン。美しく存在感がすごい。役的にはもっと~して欲しかったとか思うけど、空想の世界に居るウォルターだもの、話も聞かないわね😅
空想ばかりが続くかと思ったが、ショーンを追い駆け旅をするうちに、空想は少なくなっていく。その壮大な景色と過酷な旅ですっかり逞しくなったウォルターが、最初のうだつの上がらない雰囲気とは見違えるような男になっていく。彼の成長物語ではあるが、観ているこちらも元気を貰えポジティヴ思考になって来るよ。
子供の運動会で一番前で必死にビデオを撮っていたお父さんたち、その目で今の子供の姿を見て焼き付けたら良いのに…と思っていた私が、ショーンの言葉にうなずく。
3回も観ると、素敵なセリフに気づく。それがまた素晴らしい。
笑いあり、涙あり、ファンタジーでヒューマンドラマ。そしてスケートボードの迫力と石!壮大な景色とスリル。映画ならではの色々な魅力が散りばめられた良作。
長く生きて来た人には心に沁みる作品だと思う。また4年後。
そしてポケタの方も観ないと!
ぬーたん

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