Mariko

ラストエンペラーのMarikoのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.5
公開時に映画館で観て以来の鑑賞。

当時、この世界と映像美に圧倒されたのは間違いないのだけど、日本と満洲との関係をそれまでこういう描き方で見せられたことがなかったのと、最後が1967年、そしてその20年後の現在は、というその年代的な近さにショックを受けたりもして、なかなか見返そうという気持ちになれなかったというか。

でも、今回観てあらためて圧倒された。
この皇帝溥儀、ジョン・ローンならでは、というのはありながらも最後の紫禁城での場面は、万感胸に迫るという表現以外考えられないような思いで観ていた。
RJがピーター・オトゥール様なのも相当スコアup。

そして、思っていたよりも音楽がない場面が多いのも印象的。
そんな中、最もやられたのは教授でもデヴィッド・バーンの曲でもなく皇帝円舞曲。
華やかに見えて虚飾に満ちた舞踏会で使われるこの曲、実は子供の頃から大好きなのだけど、こんなにも空虚に響くKaiser-Walzerを聴いたことがなく、またこのタイトルを思うと、もう絶句するしかない。
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