雨宮はな

ラストエンペラーの雨宮はなのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.0
ハリウッドには撮れない傑作。
“国”にアイデンティティを奪われて生き、最後は個人として自立できた男の話。

自分の名前を呼ぶことも呼ばれることもほとんどなく、立場で呼ばれてきた/自分を呼んできた人間の脆さが如実に表れていた。
自分の名前をチョークで書いたあたりからようやく自分の過ごしてきた時間や名前を背負い始めたような気がする。
「名前」というのものにちょっと思うところがある最近なので、このシーンはぐっときた。

正妻ちゃんがただ不憫。
セカンドちゃんは上手く離れたなと、その賢さと勇気に拍手した。

ブラックフェイスのバンドが出てきたとき、これはハリウッドには撮れない傑作だと確信した。
雨宮はな

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