ひでやん

ウルフ・オブ・ウォールストリートのひでやんのレビュー・感想・評価

4.2
実在の株式ブローカーで、ウォール街の狼と呼ばれた男、ジョーダン・ベルフォートをディカプリオが演じる。

ウォール街で会社を設立し、富裕層をターゲットに巧みな話術で株を売りつけ巨万の富を得た男。

酒に女にドラッグと、毎日やりたい放題。ラリッた状態で会議したり乱交パーティーしたり、ハチャメチャバカ騒ぎ。
セックスとドラッグ中毒で、もはや病気と思える彼らにはじめは共感出来ず引いた。

そして、豪遊の限りを尽くす彼らを観ていると人間の本性を突きつけられた感じだ。

破天荒なジョーダンの生き様に強烈な衝撃を受けた。これが人間だ!
人間のありのままの姿だ!と、醜い腹の底をえぐり出している。

プール付の豪邸に住み、高級車やクルーザー、綺麗な妻と可愛い子供に囲まれる夢の生活、アメリカンドリームは海水のように思えた。

欲望は無限大。飲めば飲むほど喉が渇く海水のように、すべて手に入れても決して満たされない。

善か悪か?合法か違法か?
やっている事は証券詐欺なんだろうけど、セールスマンとしてのジョーダンの才能はズバ抜けている。

鼓舞し、士気を高め、熱弁するマイクパフォーマンスは人の心をつかみ、勇気づけ信頼させる。

のし上がり、大金を手に入れ豪遊の日々を繰り返した男の結末は、大団円で終わらない。登ったら下りるのが人生。
カタストロフィへ向かう…。

ディカプリオの演技に脱帽。
酔っ払った顔、ラリッた顔、興奮した真っ赤な顔、廃人のような青白い顔、喜怒哀楽を激しく剥き出すディカプリオを観ていると、3時間という長い尺があっという間に終わった。

一番好きなシーンは「レモン714」の効力が遅れて襲いかかったシーン。公衆電話から自宅にいるドニーの元へ向かったジョーダン、そのヘロヘロ状態に笑ってしまった。
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