KnightsofOdessa

牡蠣の王女のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

牡蠣の王女(1919年製作の映画)
5.0
[ずっとイカれてるのに最後が一番イカれてる] 100点

『花嫁人形』と比肩する大傑作。限界まで太くした葉巻を吸い、ありえん量の女性秘書に口述筆記させ、娘の部屋まで四人の黒人執事を伴って軽めのランニングをする"牡蠣の王"。信じられないくらいモミアゲの太いこのおじさんだけでなく、登場人物全員のキャラがクセ強めで圧倒的に濃い。友人が貴族と結婚したことでブチギレた破壊神"牡蠣の王女"オッシーは、今すぐに結婚したいと言い放ち、壁中にお見合い希望男性の顔写真を貼り付けたカオスな結婚斡旋所で働く魔術師みたいな老人が召喚され、借金がある貧乏貴族を紹介する裏で、オッシーは興味なさげに花嫁修業に励む。"牡蠣の王"邸玄関にソーシャルディスタンスを守った執事たちがアホほど並んでいる、オッシーがドアを開けると風呂係の侍女が大量に立ち並んでいる、専属の馬車に馬が11頭と御者が11人付いてる、結婚晩餐会で50人くらいいる使用人がキッチンで踊りだすなど、とにかく人もボケも過剰な物量で押し切る。狂ったように大量の人間が出てくるのは圧巻の一言。

後半は後から付け足したとしか思えないアル中矯正お嬢様の会が登場し、"さあ殴り合いで決着よ!"からの破壊神面目躍如な展開が強すぎる。そして、結婚した次の日に浮気したと思ったら映画史上最強クラスに狂ったエンディングになだれ込む。徹頭徹尾バグってるのに最後が一番イカれてるとか普通に凄くね?
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