haru

囚われのサーカスのharuのレビュー・感想・評価

囚われのサーカス(2008年製作の映画)
3.0
生き延びたとしても。

1961年、アダム・シュタインはサイズリン研究所にいた。ここはホロコーストの犠牲者に精神的なケアを行う場所で、アダムは患者らしくない雰囲気を纏い、他の患者のみならず医師や看護師からも特別視されていた。ある日、自分を犬だと思い込んでいる少年が施設に送られてくると、アダムは忌まわしい過去と向き合うことになる。

主人公アダムが戦前ピエロをやっていたからか、人を煙に巻くような話し方をするので、最初テーマが掴めず難解な感じがしますが、ホロコーストの話です。この施設の入所者たちは、全員ホロコーストにより心に傷を負ってしまった人たちで、一見そうは見えないアダムも大きな闇を抱えています。
犬少年との関係は良かったですが、アダムの特殊能力?の意味がよくわからず…ジェフ・ゴールドブラムなら、何かしらの能力を持っていても違和感はありませんが、この設定のおかげで、話の方向性がなかなか見えてこない。てっきり病院内で殺人事件でも起きるのかと思ってましたが、現代は穏やかでした。
当時は誰もが必死に生きようとしたのに、戦後は生き延びたことが恥となる。生き延びたとしても、苦しみは終わらない。そのあたりがすごく伝わってきたけど、前半がちょっとわかりづらいのが残念。でもつまらなくはないです。