「舊劇 渋川伴五郎 霧島山蜘蛛退治の場」尾上松之助の主演長篇として現存している3作のうちの1本。他「実録忠臣蔵」「雷門大火 血染纏」。霧島山での土蜘蛛バトルはウルトラQ並みのキッチュな特撮に画面いっぱいに巻かれる系が乱雑とした物語をさらに取り止めのないものに！と思えば急激に甚八とお米の家に妹千代乃が収束するラストでは川の岩場での大決闘！ご都合主義なんてなんのそのスペクタル感が最高！舞台モチーフの最古類の長編サイレントでトップレベルに面白い。笠を被って神社の境内にやってくる伴五郎の登場シーン、喧嘩の現場に立ち会わせ３段目以降は素人が出場する角力（相撲）、東の大関岩石と西の大関雪見川を止めに入るシーンでの木ぶっこぬきなど随所に見所が！
