ryodan

グランド・ブダペスト・ホテルのryodanのレビュー・感想・評価

5.0
W・アンダーソン監督作。

「ダージリン急行」より寓話的な話でした。今作は映画のサイズをすっぱり切って、縦長にしてました。その理由は見ていれば一目瞭然です。ウソかホントか分からないような話の中で、人間として高貴なふるまいをしようとするムッシュ・グスタヴ。どんな時にも高貴であり、ノーブルであろうとする振る舞いは、人間が人間であるための理性のようにも思えてきました。時代が流れようとも、親友への侮辱に激高する。どんな圧力にも屈しない。おとぎ話のような世界で、それでいてどこか現実の世界の歴史とダブって見えてしまう事件が重なる。きっとグスタヴなら、現実の歴史の中でも、同じように高貴な振る舞いをするだろう。揺るがない信念が心を打ちました。
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