Nasagi

キューティー&ボクサーのNasagiのレビュー・感想・評価

キューティー&ボクサー(2013年製作の映画)
4.2
ニューヨークで暮らす芸術家の篠原うしお&のり子夫妻に密着したドキュメンタリー。
2人の関係性がおもしろすぎて…
途中からもうのり子さんが主人公になってたなー。エンディング・クレジットものり子さんの方がうしおさんより先に来ていた。
ただ、うしおさんからすれば「僕のアートにはぜんぜん切り込んでこなかった」と不満だったみたい。
たしかに芸術家を撮った映画というよりは夫婦を撮った映画だった。でも80歳になっても前衛であり続けようとするうしおさんの姿も本当にかっこよかったし印象的だったなー。
「だって俺たちがさぁ、もう一番苦しいアートをさ、いつの時代でもやってんじゃないの」

やっぱ人間年を重ねてくれば、自分のことを肯定したくなるのが普通なんだと思う。
でも彼ら前衛芸術家にはそれが許されない宿命。際限のない自己否定、破壊、その先にしか新しい創造はない。それってやっぱりすげー苦しいことなんだろうなと。

日々芸術に向きあってる人が本作をみたらどう感じるのか気になった。
あと2人の英語と日本語がまじった日常会話がとてもかわいくて好きだった。
「それがkeep youngだね」とか「almostできたよ」とか。ちょっとルー大柴みたい笑
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