『熱海ブルース』('62)
無性に好い。ショットとつなぎ方が矢鱈かっこいい。編集もリチー本人。
シンプルなボーイミーツガールが何だか好い。60年代の温泉地 熱海。険のあるムスッとした縄文顔の女性とどことなくムワッとした淫靡さのある男性も好い。甲斐甲斐しくお膳の茶碗や箸を整える動作で女性の心境の変化が単純に表現される。音楽が武満徹なのか。
『戦争ごっこ』('62)
「協力 土方巽」とあるがどのへんで関わったのだろうか?少年たちの動作?
これもショットが矢鱈かっこいい。ロングショットで少年たちが海岸線を行進するシルエットも、少年のアップの構図もかっこいい。波の音と海水パンツの少年たちの視線と視線の先にあるものだけで進行する。
Wargamesのタイトルが示すとおり象徴的な内容だが当の少年らは山羊の死体運ばされたり墓掘らされたりナンヤソラと思っていたかもしれない。
『死んだ少年』('67)
高橋睦郎の同名詩にインスパイアされた作品とのこと。今回観た4本のうち最も性と死がダイレクトに表現されていると思った。この映像にシタールの音色を合わせるというのもまた。