結湖

アデル、ブルーは熱い色の結湖のレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.5
恋愛映画は苦手であまり見ません。
ええ、みにつまされないからですよ、すみませんね、こじらせ女子で。
けれど、同性愛がからむ映画は割と見ます。
なんでだろう、まぁ、プロフ読んでいただけたなら、お察しいただけるかと思われますが、それだけでもないんですよね。
この映画は恋の始まりから、終わりまでを丁寧に描いた映画です。レンタル版はR-15指定なので実際はもっとがっつりエロかったんかなぁ。
男女となんら変わりなく、しかし、それ以上に同性であることはいろいろと考えさせられることがあります。
私はいわゆる腐女子というやつですが、年季がはいりまくってて年齢の半分以上は腐ってたりするんですよ。
今の腐女子たちはどうだかわかりませんけど、私は若い頃になんでこんなに腐った考えを持つんだろう?なんて考えた時期がございまして、いろいろ読み漁ったりして自分なりに落とし所を考えたりしました。
その一つに男女による性差ってのがあります。ざっくりいいますと、男尊女卑も含め、男と女では社会的、肉体的、体力的に歴然と差があり、同性同士の恋愛にはその性差が当然ながら持ち込まれないので、対等である恋愛に惹かれるという考えです。(ざっくり&私の古い考えなのであしからず)
アデル(アデル・エグザルホプロス)とエマ(レア・セドゥ )は女性同士でそこに性差はないのですが、アデルはエマのように情熱を傾ける大きな夢もなく、同性愛者であることにも引け目を感じています。エマに文章を書くよう勧められても、アデルは自分の感性とともに、エマが認めたアデルの才能(芸術的部分と言い換えてもいい)も否定してしまうのです。寂しさからの過ちでエマとアデルの溝は決定的になりますが、そもそも二人は最初から危うい。
あの時、アデルが表現を選んでいれば、二人の立場は対等になったんじゃないかなぁ、って考えてしまします。
つまり、あそこでアデルはエマの夢を支えるだけの女になってしまったんではないかと。それがいいとか悪いとかでなくて。
主演の二人の演技はとても自然でどっちも女の子だったなぁ。
淡々と進む映画ですが、意外と長尺さを感じさせないのも不思議でした。
2015/01/17:DVD(字幕)
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