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インセプションのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.5
実はエンディングだけ以前どこか美容室かで観てしまっていて💦、それを忘れて観始め、しまったエンディングだけ知っている💦 いや、私は夢の中でエンディングを観たのかもしれない💦 ということで夢の中でもそんなに迷わずに大体どこに収束していくのかをこれは伏線かもと予測しながら観ました。だからといって面白さは減りませんでした。

愛は無限ループ。

次元の層に密度と速さの違いがあるところがさすがです。

認知症を患い見当識が失われてくると、時間の進み方がわからなくなり、家にいるのに、家ではないと思い込み、家を探し続け、一瞬納得してもまた探し続ける。この作品に似ているなと思いました。

生死の境目では崩れていく日常があり、死の世界では覚めない夢を見続けていくのかなと、この作品には夢の入れ子の階層よりも、夢が死への入り口に見え、夢が生死の間のグラデーションを作っているように感じました。そう考えると夢を共有すれば死者の中に永遠に生き続けることができる。双方が死者であったら双方ともに。

人の一生は他者の記憶の中にしか残らない、と聞いたことがあります。

誰もが少しずつ死(目覚めない夢の中)に近づいているのなら現実は少しずつ夢に侵食されているのかもしれない。

コブの「思い込み」(刺さったアイデア)とは、「コマが夢の中では倒れない」ということだったのでは?

手放しで面白かったです。

ところでジョセフ・ゴードン=レヴィットが淡々といちばん働いていました。ディカプリオはしょっちゅう寄り道していたし。『50/50』で観た時からクールで優しそうでけっこう好き。

追記

タルコフスキーの『惑星ソラリス』を思い出しました。記憶の海に心を読まれ何度も自殺した妻が現れる。思い出の実家はソラリスの海の中にあり、果たして自分は意識だけなのか実体はないのか。何が現実なのか。
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