メル

インセプションのメルのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.3
何度も見てDVDも持っているのに4DXの劇場上映に釣られて嬉しい劇場鑑賞。
ノーラン監督作では今の所1番好き。

他人の夢に入り込んで、あるアイデアを植え付けるという話。

夢は何層にも別れていて階層が深くなる程植え付けられたアイデアは自発的に芽生えた考えとして本人の心に定着する。しかし夢をコントロールされる側は潜在意識からくる抵抗力で、心の中で敵を創り出して夢の中で戦う。他人の潜在意識の中に複数で入り込んで新たなストーリーを作り出す。

夢の世界では時間の流れも現実とは違い、階層が深くなる程時間も長時間滞在できる。

夢を共有した者が一緒に現実に戻らなければ計画は失敗に終わる。

とにかく豪華な出演者たちと複雑なストーリー展開で何度観ても楽しめる。

メンバーの中心人物コブ(ディカプリオ)の潜在意識の中に留まり続ける亡き妻の存在、ターゲットとなった大企業の御曹司の父への複雑な思い、この2つが大きなポイントでもある。

悩めるコブの心情を理解し、励ましたり導いたりするのが若い女子大生(エレン・ペイジ)というのが良いね。こうゆう問題は男同士じゃ上手く行かないのかも...。
この、エレン・ペイジが結構な強い心臓の持ち主で、皆んなが諦めそうな時でも彼女が1人粘り強く作戦を練り直す、ここがとっても良い。

いつもはキリアン・マーフィーのブルーの瞳を目当てに観るのですが、今回はムードメーカーのトム・ハーディーが光って見えました。
「刑事ジョン・ブック目撃者」の少年役のルーカス・ハースがメンバーの1人として出てますが、大きな目はあのままで良い俳優になってました。

観終わって心に浮かんだのは「千と千尋の...」の、かま爺の言葉「愛じゃよ...愛...」

人間は愛のために苦しみ、愛のために迷い、愛のために強くなれるんだという事ですね。

よくよく考えると設定に無理があって「あり得ないよね〜」と思うものの、何度観ても心底楽しめてしまう大好きな作品。笑
メル

メル