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MUD -マッド-のmahのレビュー・感想・評価

MUD -マッド-(2012年製作の映画)
4.3
アーカンソーのハウスボートに住む14歳の少年エリス。
早朝、友人のネックボーンに合うために家を抜け出す。二人が辿り着いた先には島。その島に洪水で流れ着いたボートがあり、ネックが見つけ二人の物にしようと木の上を上る。くつろごうとすると、人が住んでいる形跡が。
島を後にしようと2人は浜辺へ向かう。そこには白いシャツに靴底には釘の十字、髪はぼさぼさで歯は欠け、煙草をくわえて釣りをする男が。このマッドと名乗る彼との出会いがエリスとネックの日常を少しずつ変えていく。


訳ありそうなおじさんに惹かれ、さらに少年たちとマッドに少しずつ友情が芽生えていったり、夏休みの秘密基地のような爽やかな雰囲気で心が洗われる。
後半になるにつれてじわじわとマッドの素性が明かされていくのだが、少年視点で物語が進むため、胸が苦しくなった。

14歳の少年が描く"理想の愛"と、様々な形の愛がエリスの周りの人間達の間で揺れ動く。
愛は暖かくて、ゆるぎないもので、時々残酷だったり、突然消えてしまう。エリスがマッドと出会ってから見つけた愛は、様々な形だった。男女間での愛は、甘酸っぱくて、でも少し痛い。


どこか地に足のつかないような不思議な感覚で観ていた。マッドの存在もとても宙ぶらりん。もしかしたらいないのかも、とすら思えそうだった。
画面もストーリーもあまりにも美しすぎて、エリスの思い出を夢として見ているような。思い出はきれいな方がいいから、それでもいいのかもしれない。


マシュー・マコノヒーってこんなにセクシーだったんだね・・・。
島での一発目の登場で、ボロボロの歯でタバコを咥えて眩しそうな顔した瞬間に撃ち抜かれた。
訳ありの汚いおじさん、すごくいいです。
mah

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