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残された者-北の極地-のmahのレビュー・感想・評価

残された者-北の極地-(2018年製作の映画)
4.2
北極に不時着し、救出を待つパイロット。毎日のルーティンをこなし、時間の感覚を忘れないように日々を生きる。
しかしようやく救助に来たヘリコプターが目の前で墜落し、瀕死の女性一人を助け出す。
男は、生きていくために歩き出した。


世界で一番愛している男、マッツ・ミケルセン主演映画。観に行かないわけがない。
ずっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとマッツ。
動く絵画。息をする彫刻。芸術とはこのことか。

非常に画作りに力が入っており、北極における絶望感や虚無感が良く表現されていた。
見渡す限り一面雪のため白がとても効いており、非常にミニマルな作品。比例してストーリー自体も多くを語らずとてもミニマルに仕上がっている。
セリフも多くなく、共演の女性もほぼ喋らないため、汲み取る要素としては表情や行動のみ。とても余白が多く考えながら観ることができた。
また、時間の流れ自体も非常にゆっくりに感じる。自分が北極にいるような感覚。
時間や間を贅沢に使っており気持ちが良かった。
そしてそれはマッツの演技力ありきなので見応えはちゃんとある。
こういう作品好きです。


なんでこんなにミニマルで美しい作品なのに邦題もビジュアルも蛇足祭りなんだ。
mah

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