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1917 命をかけた伝令のmahのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.6
1917年、第一次世界大戦真っただ中。
イギリス兵のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)は将軍からの命令を前線まで届けるためにひたすら走る。



凄いものを観てしまった。何ですかこの映画。
映画というか最早ドキュメント。というかここまで来るともう現実・・・?
物議を醸している「ワンカット」についてですが、観たら「言いたいことはよくわかる」といった印象。ワンシーン・ワンカットの方が適切だとは思います。何ならそもそもの意味が違ってきちゃうからね。
ちなみにサム・メンデスは「ワン・コンティニュー・ショット」と言っているそうなのでそれが正解です。

ただもう正直そんな表記上のこと、ど~~~でもよくなるぐらいすごい。
臨場感で言ったら現実世界より臨場感があります。何を言っているかわからないでしょうがマジの話をしています。
監督、カメラマン、演者の緊張感がスクリーン越しにバッチバチで伝わってくる。それも相まって緊迫感は300%。何ならもう心臓取れた。

特にカメラワークに一切の隙が無さすぎる。
この映画とこのコンセプトにおいての最適解と言ってもいいほどに完璧。ここでこういう映し方か~~~!!とうならされたんですが、これは長回しだからこそできる画作りでした。隙が無さ過ぎて最早怖い。
そしてカメラワークを邪魔しない音楽や、環境音のバランスがあまりにも取れすぎている。
帰りにサントラ聴きながら帰ろうとしたらあまりにも音が控えめすぎて、車のエンジン音の方が大きくて「車うるさ!!!!」となったぐらいには"そのシーンを盛り立てるための必要最低限の作られた音"しか流されてないんですよね。

また、脇を固める俳優陣があまりにも豪華。前情報なしで行ったためびっくりしすぎて起立しそうでした。
実質SHERLOCKだし、実質キングスマン。
軍服の着こなしがたまらん。マーク・ストロングの清潔感溢れるロングブーツとアンドリュー・スコットのダル着感など、個性が出ていてとても良いでした。



戦争という本当に過酷で胸が痛くなる状況下におけるドラマを、ダイレクトに、より残酷に、鮮明に表現されていた。
そんな中でも美しいと感じるシーンが多々あって、なんて残酷なんだろうかと思ってしまった。美しい、もっと見ていたい、と思わせる残酷さ。

ラストのシーンは大迫力、そして超・疲労感!!!
スコフィールドとブレイクと共に走ってるんじゃないかと思うほど疲れる作品でしたが、こういう映画を観るためにIMAXが存在するし、映画館が存在する。
本当にありがとうございました。



好きなシーン等、コメントに追記します。
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