第二次世界大戦真っただ中のドイツ。熱心な愛国家の10歳の少年、ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)はイマジナリーフレンドであるアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)と、ヒトラーユーゲントで立派な兵士になるため、日々邁進していた。
ある日自宅の二階の物音に気付き、部屋を見に行くとそこにはユダヤ人の少女がいた。
とてもいい映画だったのだが、いい映画だった！！としっかり言い切れないほどに辛い。
タイカ演じるヒトラーのコミカルな動きに反比例するように苦しい展開も待っている。イマジナリーフレンドとあって、ジョジョの思考が反映されてるため非常にコミカルで普通に笑ってしまうのだが、背景を考えると素直に笑えない。非常に不安にさせられた。
泳ぐタイカ、ずるいよ。
ジョジョに愛を説く母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)が素晴らしかった。
ジョジョへの愛が余すことなく表現されていて、愛そのものに包まれてきたジョジョが愛を知らないのは10歳の少年ならではで「そのうち解るわ」というジョジョへ向けられた言葉がとても暖かい。
愛を蝶で表現するのがとても詩的で美しい。そしてそれと同時にとても儚い。
前へ進み歩くための靴の紐を愛(蝶結び)で固く結ぶ10歳の少年。
どう考えても幸せになってほしい。
メモとしてネタバレ追記します。
