OASIS

7番房の奇跡のOASISのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2013年製作の映画)
2.0
知的障害を持つ父だが、幼い娘と共に小さな幸せを感じながら暮らしていた。しかし、ある日父が幼女強姦容疑で逮捕され、刑務所に収監される事になる。最初は刑務所内でも囚人から馬鹿にされる彼だが、マフィアのボスの危機を救った事から仲間と認められ、娘に会いたいという願いを叶えてもらうという話。

1200万人以上を動員して、歴代興行収入3位を記録した韓国映画。
「泣ける」と話題で、もちろん泣く満々でハンカチを持って観に行きましたが、あまりにも「泣け!」のゴリ押しが酷くて一番泣ける筈の終盤では冷めてしまった。
異常なまでのキャラ付け、笑いどころや泣きどころが非常にハッキリしている、そしてなんといってもストレートにわかり易い。
言うなら、これぞ韓国映画という要素がこれでもかと詰め込まれていてザ・王道といった感じ。
「アジョシ」や「サニー」というように、大袈裟すぎない良作が多いヒット作の中では、ひときわ感動を押し出しすぎて仰々しさを感じてしまう映画でした。

「アイ・アム・サム」を彷彿とさせる設定と、可愛らしい子役の存在。
そして、父と子の悲劇的な別れを描く法廷劇の結末。
非常に泣けそうな設定なんだけど、どちらかと言えば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観ているような胸糞悪さが常について離れない感覚が邪魔をする。
大体、主人公が冤罪であるのは冒頭から既に明らかなので、悲劇的という感覚よりも裁判官や警察へのイラつきが益々高まっていく。
更に、囚人仲間や看守があれだけ努力を尽くしたにも関わらず報われない所を見せられると、悲しくて泣けてくるのではなく周囲への怒りしか沸き上がって来ない。
そして、ここぞとばかりに流れる大音量の音楽が「今、泣く所ですよ〜」と教えられているみたいでそういう親切すぎる点が多すぎて鼻に付きました。

囚人仲間、特にオ・ダルス演じるボス関係は結構笑えたし、やはり子役の異常な可愛さで終盤まで引っ張ってくれるしで、キャラクターは本当に良かった。
その分押し付けがましさが甚だしく、こういうわかり易い話も大ヒットしてしまうというのは面白い国だなと思いました。

@梅田ガーデンシネマ
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