まりぃくりすてぃ

アンビリーバブル・トゥルースのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.7
So good.

せつなさが心を振ってくる。
これと『トラストミー』だけが姉妹作だ。魂の。
トリロジーとはいえ、『シンプルメン』につながる要素はギターと男優さんだけ。

その主演さんロバート・ジョン・バークかっこいっ! かっこいっ!
ムショ帰り、のジェントリーで小慣れゼロな佇まいを長々キープしてくれちゃって、、、、その横っちょに高倉健さんがぴっちょり貼りついてる気がしたのは日本人なら当たり前? おそらく『淵に立つ』の浅野忠信さんにもこういうキーピングを私たち本当はみんな求めてたにちがいない。
表情めっちゃ一定、がいとおしいけどやっぱ怖さを含むロバート。それが終盤、アパート窓を路上で見上げるところからやっと感情が、目元に宿る! 小ワザよりは烈しく。でも、アンビリーバボーなちゃぶ台返しケアを受けても爆発は最後までナシ。すばらしい石演技だった!!
でも、ちゃぶ台返しな脚本には「それは、マズイ」とすぐ思った。着地自体はキマってる。あのハグ。そのための身長差?
小柄なエイドリアン・シェリーちゃんの出てる映画は、(これとトラストしか知らないけど)私をせつなくさせる。最初のアクビだけ下手っぴで、あとはずーっとシンパシー。ピュアな可愛げ。傲慢じゃないアメリカが“杞憂じゃないかもしれない杞憂”ごとこんなにも等身大。旧(ふる)き佳(よ)き80年代をたぶんパッキング。その時日本や世界全体がどうだったかもっと知りたいし、人間嫌いと懐(なつ)くキモチの間で今のいろんな不安を調和に変えていきたい私。

誘惑女性役とロバートとのカフェでの掛け合いループは、十年に一度級の「これ見ておけば」シーンかも。  


[私映えするtheater、の初登場3位ぐらいの、アップリンク吉祥寺。出来たばっかだから渋谷のよりも超E!]