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アバウト・タイム 愛おしい時間についてのtaruponのレビュー・感想・評価

4.4
見たいと思っていて、なかなかタイミングがなかった作品。そして、見終わってまず、「やっぱり私はリチャード・カーティスが大好き!!」と叫びたい気分(笑)
多幸感にあふれ、人生が愛おしく感じる。ラブ・アクチュアリーにしろすごい波乱万丈の事件は全く起こらないけれど、その1つ1つの日常の積み重ねが限りなく愛おしく思える。この作品もタイムトラベルというある種古典的なファンタジーで、そこで起こることは大事件ではない。でも、描かれるビル・ナイ父と息子のティム(ドーナル・グリーソン)の関係性(すごく愛情と信頼のある関係だけれど、近さ加減がほどよく、卓球場面とかラストの方の浜辺の場面とか何とも言えない良さがある)、2人を囲む家族(辛口でありながら、温かさを感じさせる母、とぼけた味わいの叔父、トラブルメーカーの妹)家族それぞれの関係性がきちんとみえる描き方がされている。
そして、メアリーが可愛い、見た目も含めたキャラクターが。


ここから、ちょっとネタバレ。


何度もタイムトラベルを繰り返して、不器用なティムが周りの幸せにも振り回されつつ幸せをつかみ取っていく。
人生を何度もやり直してみることのいい悪いではない。
父の教えに従い、2度目を繰り返すことで、やることを違えるのではなく、同じ出来事を繰り返しているけれど、そこに臨む自分の気持ちに余裕が持てることで、周りの反応も変わりより楽しめる人生を送れるようになっていく。
また、色々起こることを踏まえた上で、父との時間をより大切なものとして過ごし直したりもする。


最後、ティムはもうタイムトラベルをする必要がなくなったけれど、彼は息子の21歳にやっぱりこの秘密を伝えるんだろうな、そして、息子との時間を愛おしいものにするために、またタイムトラベルをする日が来るのかもしれない。
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