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魔女っこ姉妹のヨヨとネネののらのレビュー・感想・評価

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(2013年製作の映画)
3.5
アニメーションとしては素晴らしい出来だが、話の部分に若干問題がある。

例えば主人公が魔法界と人間界で姿が変わる件や、魔法に関する設定全般がサラッと流されるため、クライマックスの鍵になる魔法石の暴走原因が何となくそういう事なんだろうなーと全体的に世界観がふんわりしている。またどうやれば元の世界に帰れるのかという話を序盤で結構な時間を割いて行うので時間配分の部分で話のテンポが悪い。

また本作は ET や魔女の宅急便などの、過去作オマージュがふんだんに盛り込まれている。それ自体は良いのだが問題は本作ならではの要素が追加されていないため、ただ真似をしただけに見えてしまう。

それで設定だったり世界観に関わる部分の話が少ないわりに、過去作オマージュが沢山入っているため、本筋と関係のない部分に対する情報の詰め込み方が過剰でアンバランスな作りになっている。それと同時にどうしても似たようなシーンや展開が多いため何処かで見たという強い既視感を覚える映画になってしまっている。

とはいえ、本作のアニメーションとして魅力は、それらの欠点を無視するには十分だろう。絵本のような色彩設計も非常良いし。話もアキの実家に行った辺りからテンポも良くなる。魔法界のキャラクターも魅力的だ。本作を見終わった後にヨヨ達の活躍をまた見たくなる映画に仕上がっている。
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