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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島ののらのレビュー・感想・評価

2.5
安彦良和によるテレビアニメ版機動戦士ガンダム 第15話ククルス・ドアンのリメイク。特にタイトルに表記はないが、安彦良和監督作品ということで当然のように THE ORIGIN 版を原作としている。そのため時系列などテレビアニメ版と異なる点が多いが、孤島で戦争孤児と生活していてる元ジオンのエースパイロットと、そこに迷い込んでしまうアムロの話という点では同じで、戦争ドラマに良くある脱走兵エピソードの構成になっている。

そのためモビルスーツ戦が最初と最後にしか無い構図になっていて、話の大半をアムロと島の子ども達の交流にさかれているので、すごく地味な作品になっている。その反面 70年代後半の SF 作品でよく見た展開や雰囲気で何処となく懐かしさを感じる。

特に序盤のククルス・ドアンのザクとアムロが戦うシーンは、歌舞伎や浮世絵の構図を取り入れていて絵になる。またサザンクロス隊の高機動型ザクの動きなどモビルスーツ全般の動きは 3D CG を使える現代ならではで、新旧の良さを上手くまとめ上げられている。

リメイクとしては良くできている。ただ元の話がどちらかというと、変な話に分類されてしまう類の話なので、それがリメイクで普通になった結果古さを感じる作品になっている。この作品が醸し出す空気感を懐かしいと感じるか古臭いと感じるかで印象が変わる作品になっている。
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