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シン・仮面ライダーののらのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
2.0
庵野秀明による1971年放送の仮面ライダーのリメイク。

ストーリーとしてはショッカーの科学者だった緑川博士の娘ルリ子との逃避行というロード・ムービーの形をとっていて、特に序盤はオリジナルの映像を踏襲していて現代的な映像になっているし、庵野秀明特有のカット割りも効いていて、一作目のリメイクとして上手くオリジナルの要素を取り入れつつ現代的にモディファイされている。しかし後半になればなるほど、本作の映像的な魅力や仮面ライダーとしての魅力は失われていく。

元々庵野作品はモノローグ形式のセリフで話を進めていくのがひとつの特徴であり、それがアクションとの緩急になっているのだけど、本作の場合ショッカーの成り立ちや本郷猛がどういう原理で仮面ライダーになるのかといった説明をセリフでするので、展開を理解しきらない内に次の設定が投入されるので、話に入りづらい。

また今作の仮面ライダーは変身シーン自体はあるものの、変身するわけではないので、なんで変身して戦うのかという行為に対する答えが提示されてないように感じる。

全体的に言えば庵野秀明特有のヴィジュアルのルックは魅力的なのだけど、アクションシーンの出来が悪くて、特にラスボスの森山未來の身体能力を活かし切れてなかったり、前半パートの映像に比べると、後半パートになればなるほど投げやりというか雑な印象をうける。

ひとつ思うのは、時期的に作り始めたのがコロナに入る時期と重なったために、時間が足りなかったのかな?という気はするのと、同時期に作られたブラックサンズが現代的な解釈を取り入れていた事を考えると、物足りなさを感じる。
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