のら

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティののらのレビュー・感想・評価

2.5
実写版バイオハザードシリーズの7作目だが、先行するミラ・ジョヴォヴィッチ版がウイルスによるゾンビ化という設定だけを拝借した完全な別物だったのに対して、本作はゲームの2をベースに1の洋館事件を扱っている。

そのため2本分のシナリオを90分程度の映画にまとめるために、登場人物の整理やエピソードの順番の変更などでシナリオのダイエットをしている。これが絶妙で上手くまとめていると思う反面、ゲームをプレイ済みだと話の流れが違う事の違和感が気になってしまう。さらに話をややこしくしているのは初期のバイオハザードシリーズは何回かのリメイクによって展開が若干変わっている。そして本作は主にリメイク版から引用しているため、どこが原作の要素でどこが映画オリジナルの要素なのか、見ていて混乱する。

またミラ・ジョヴォヴィッチ版はアクションをホラーで味付けた映画でそこが新鮮だったが、本作は原作同様にホラー重視の映画になっている。それ自体は本作のコンセプトとして正しいのだけど、ホラー要素がビックリドッキリ系に偏っているのと、登場人物の多さも加わって、単調に感じてしまう。

もちろん原作準拠のビジュアルは悪くなくて、洋館で最初にゾンビに出くわす場面や警察署のシーンなんかはすごく良いし、リサ・トレヴァーを出してくるあたりに、バイオハザードが好きな人達が作っているというのは伝わってくる。が、じゃあ映画として面白いの?と言われると微妙で、悪くはないのだけど全体的にスケール感が無いせいかB級映画ぽく見えてしまう。

ミラ・ジョヴォヴィッチ版を知らなければ、実写版バイオハザードの一作目として悪くはないが、知らない人いないどころか、あっちの方が本家となってしまっている現状だと映画として物足りない。
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