のら

モンスターハンターののらのレビュー・感想・評価

モンスターハンター(2019年製作の映画)
2.0
実写版バイオハザードシリーズを監督したポール・W・S・アンダーソンと主演のミラ・ジョヴォヴィッチによるカプコンの人気ゲームシリーズの実写化。

話としては砂漠で行方不明になった特殊部隊を捜索しに来た主人公たちがモンスターハンターの世界に迷い込むという内容で、イメージとしては戦国自衛隊を似た感じの導入部になっている。

ただこの映画何がしたいのか良くわからないのは、迷い込んだ先のモンスターハンターの世界が殆ど砂漠地帯で話が展開する上に、主人公チームが主人公を残して早々に全滅してしまい、結局いつものハイパーモード仕様のミラ・ジョヴォヴィッチになってしまう。

特に物語の大半を砂漠地帯で過ごしてしまうのは問題で、モンスターハンターの世界がどういった世界なのかを観客に見せることに失敗している。

本来のモンスターハンターは街や村で依頼を受ける形で進行していくゲームだ。砂漠地帯とクライマックスの古代遺跡だけでは、モンスターハンターの世界観がわからないまま終わってしまう。

冒頭に登場する龍撃船のシーンなんかは、おっ!と思わせて期待値も上がるのだけど、物語の殆どを砂漠地帯で過ごすため、極端な話を言えばモンスターハンターというタイトルで無くても成立してしまう作品になってしまっている。また主人公の率いる部隊がモンスターハンターの世界に来て早々に全滅するために共闘要素も弱くなってしまっている。

結論として本作はビジュアル的な部分では悪くないものの、映画の本質的な問題としてモンスターハンターを映画するにあたって取り出す要素の選択を完全に見誤っており、外見だけ取り繕った作品になっている。
のら

のら