チッコーネ

家族の灯りのチッコーネのレビュー・感想・評価

家族の灯り(2012年製作の映画)
3.5
貧困に対する家族ひとりひとりの反応の差と、そこに生じる埋められない溝やトラブルを描く物語で、普遍的かつ古典的、そして訓示的。もしかしたら原作か舞台劇があるのかもしれない。
ほぼ密室内にて展開する物語で、単調かつオーソドックス。舞台美術も確信犯的に書割。長回しも多く、老俳優がよく対応したなと感心するばかり。
しかしこの映画の何が素晴らしいかと言えば、それは照明のひと言に尽きる。場面に映り込んだ俳優ひとりひとりが美しく浮かび上がるよう緻密に計算された光の采配には、ため息が漏れるばかり…。すべての画面が絵画のように美しく、うっとりと眺めているだけで90分はあっという間。