Tラモーン

ローン・サバイバーのTラモーンのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
3.8
久しぶりに戦争モノが観たくなってコチラ。


2005年、アフガニスタン。タリバン幹部殺害を目的としたレッド・ウイング作戦が決行された。マーカス・ラトレル一等兵曹(マーク・ウォールバーグ)、マイケル・マーフィ大尉(テイラー・キッチュ)、ダニー・ディーツ二等兵曹(エミール・ハーシュ)、マシュー・アクセルソン二等兵曹(ベン・フォスター)の4人は攻撃部隊の誘導のため険しい山岳地帯に降り立ち現地の偵察を行う。しかし、山中で山羊飼いに接触、一時は拘束するが交戦規則に則り、彼らを解放する。作戦中止を伝えようにも電波状況が悪く無線が通じない。そして4人は山羊飼いの連絡により駆けつけた無数のタリバン兵との銃撃戦に陥ってしまう。


たった4人で200人ものタリバン兵と戦ったアメリカ海軍の実話ベースの作品。
冒頭ネイビーシールズの実際の過酷な訓練の映像が使われているのがとてもいい。厳しい訓練を乗り越えた、兄弟のような絆で結ばれた兵士たちの物語に強い説得力を持たせている。

"痛みや苦しさを反撃する力に変えろ"
"頼れる仲間は最高だ。俺も仲間に頼られたい"

レッド・ウイング作戦が始まってからはとにかくシンプルで緊張感溢れる戦闘描写が続く。ストーリーも何も無い。偵察任務だった4人が不測の事態に陥り、孤立し、圧倒的な人数の敵を前に必死で戦う姿をひたすらに描き出す。

タリバン兵に追い込まれ、後退のため崖を下るシーンがとにかく生々しくて痛そう。

一人ひとりと減っていく仲間たち。

脚色はもちろんあるだろうが、言葉もわからないアフガニスタンの地で孤立し、たった1人生き残った男の長い1日。淡々としているようであり、ドラマチックでもあり、濃密なようで虚しさも残る。

戦争の是非は置いておいて、仲間のため勇敢に戦った兵士たちには賞賛を贈りたい。

"決して戦いから逃げない"


エンドロールで流れる実際の写真がいい。

ポストロックのような音楽もよかったなぁ。
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