結湖

オール・イズ・ロスト 最後の手紙の結湖のレビュー・感想・評価

3.5
エンドロールでキャストに一人の名前しかない映画を初めて見た。
物語はナレーションで始まるが、以後、ほとんどセリフがない。主人公(ロバート・レッドフォード)の名前も明かされず(エンドロールでの役名は必見)、彼がヨットで一人海に出た理由も、家族などの彼の人生の背景も一切描かれず、ただただ、海上で事故に遭い漂流する、そのサバイバルが淡々と描かれている。
それゆえに役者の高い演技力が必要なのは明白だ。主人公は独り言さえほとんど言わないのだ。この映画に観客を引きこむのは難しいとド素人の私でもわかる。
が、最後まで目が離せなかった。自然の中で人間なんて本当に小さな存在だなぁ。自然、強い。怖い。
主人公のバックボーンは一切描かれていないが、彼がどんな人間なのかは、細かい演出と演技で伝わってくる。本当にすごいなぁ。
ストーリーも奇抜なものではなく、漂流サバイバルモノとしてはお決まりの展開だと思う。それなのに主人公しか存在しないという縛りで100分も画面が保つんだから、レッドフォードが見事というほかにない。
レッドフォードはやっぱカッコイイなぁ。
2014/06/15:シネマサンシャイン重信(字幕)
結湖

結湖