ikumura

冬冬の夏休みのikumuraのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
3.7
台湾映画のこれまた名作。
ノスタルジックで一見牧歌的だけどいろんなことが起きてる。
台北の小学校を卒業したトントン(冬冬)の夏休み、
お母さんが手術を受けることになって、妹と田舎の祖父母の家へ。
田舎の駅で、持ってきたラジコンでいきなり地元の男の子たちと仲良くなって、
亀と交換するの面白い(笑)
でも小さすぎて仲間に入れてもらえない妹の婷婷が可哀想。
と思っていたら・・・

二人を祖父母の家へ連れて行くはずのおじさんも
初めから彼女にぞっこんで危なっかしい。
そして・・・という。

そして知的障害のある寒子と婷婷の交流。

イノセンスと大人の都合との狭間にあって、
それなりに賢い冬冬の視点でストーリーが展開していくのがうまい。
冬冬は冬冬で、婷婷に対しては勝手な大人のように振る舞うし。

カメラワークの、引くときの感じ、音楽の入るタイミング、余白の多さなんかは小津っぽい。
実際小津を尊敬してるとのことだけど、見るようになったのは監督になってかららしいので、
この映画が影響を受けてるかは分からないけど、確かに通じ合うものが。
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