結湖

フォックスキャッチャーの結湖のレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
3.8
マーク・ラファロ目的で鑑賞。
いや、公開当時も気になってはいたのですが、地元では公開されてませんでしたので、今頃になって鑑賞。
なんとも暗い、陰鬱な映画です。
鑑賞に伴い失敗したのは、先にジョン・デュポンをwikiってたこと。(なんだか知らないんですが、実話だって聞いたら、ちょっと調べてしまうんですよね。これって、最大のネタバレだってわかってんのになー。基本的にネタバレ嫌いなのに、なんで実話だと知るとググってしまうのか……自分にガッカリ)
なので、知らないほうがよりデュポン(スティーブ・カレル)の狂気を感じることができると思います。
デュポンの一番の孤独は愛する母親に認められないということ。彼の愛するレスリングを下品なスポーツだと一蹴されます。
けれど、金メダルを取るような選手を育てる”コーチ”になれば認めてもらえるはず、それが、デイヴ・シュルツ(マーク・ラファロ)とマーク・シュルツ(チャニング・テイタム)ならきっと!!……お金がありすぎるってすごいな。
もうね、最初っから兄のデイヴが目的でマークに近づいたのがまるわかりなのに、マークと親密になりすぎるんですよ。
そもそもこの映画はレスリングをメタファーとしてゲイ関係を描いているといってもいいんじゃないかと。
それがとても静かに陰鬱に描かれています。
デュポンの情緒不安定さは内に秘めたもので、時折現れるエキセントリックな行動にはどきりとさせられます。
表情の起伏があまりあらわれないから、それが変わる瞬間とかがすんごい怖い。
そんでもって、デイヴのできた人っぷりがあまりにも完璧。
マークの不安定さはデュポンのそれとも重なって、よりデイヴの人となりがわかります。
そんでもって、あの大オチの衝撃さにつながるのです。
やはりこの世で一番怖いのは人間の心なんだなぁって思ったりしました。
気持ちをどう持つかで人生も変わってしまい、気持ちにとらわれすぎると自分を見失ってしまうのです。
こころのありようって本当に大事だなぁ。
ド定番ですが、お金ってありすぎても幸せは買えないし、なさすぎても豊かにはならない。心を健やかに保つって大事だけど難しいものなのです。
2016/02/27:DVD
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