てる

ルパン三世のてるのレビュー・感想・評価

ルパン三世(2014年製作の映画)
3.5

めちゃくちゃ酷評されてるようだけど、この作品面白かったよ?

クライム作品といえばいいのか、スパイ物といえばいいのか、海外作品のような雰囲気で中々楽しめた。
アニメで馴染みのあるあの『ルパン三世』ではなかったのは確かだが、それはそれ、これはこれとして楽しめる作品にはなっている。エンターテインメントに富んでいるし、内容も悪くはなかった。

まず、ルパンも不二子も次元も犯罪組織の組員ってとこから始まる。
なるほどねー。そういう設定から始まりますかぁ。感心しました。良いと思う。
ルパンのおじいちゃんの設定もしっかり盛り込んで、原作やアニメとは違うまた新たなルパン三世を描いている。どのキャラクターも個性がしっかりしているし、どのキャラクターも見せ所を用意している。
その中でも一番カッコ良かったのはやはり小栗旬だ。アニメ通りの三枚目と二枚目の絶妙なバランスを見事に演じている。女に緩く、どこか抜けているけども、決めるところはきちんと決めてくれる。ハードボイルド作品なのだ。その塩梅が絶妙だからルパン三世は面白い。それを小栗旬は難なくこなしていたように見えた。

残念だったのは音声だ。一部は日本語で、一部は外国語でやっていたようだ。何か国語でやっていたのかわからないけど、全て吹き替えになっている。
外国人キャストが吹き替えなのはまだいいとして、日本のキャストも外国語で演じていたシーンが吹き替えだった。わざわざ外国語で演じているなら、そこは字幕でよかったのではないか?
日本のキャスト陣が外国語と日本語を使い分けていたならカッコいいし、そもそも外国人キャストと国の設定を合わせるために外国語で演じていたわけで、彼らと同じ言語で話していたなら、犯罪組織としての説得力が違う。すなわち、そのまま字幕版の上映を考えてほしかった。
それを理解できないと、なぜリップとセリフが合ってないの? という疑問が拭えないままこの作品を観ることになる。それはいただけない。
制作側はそういった作品のクオリティーについて考えるべきだったと思う。

まぁ、何はともあれ面白い作品であったのは間違いない。CGも存外悪くなかったし、クライム作品だあるけどもSFの要素もあり、エンターテインメントに富んだ作品であった。
もう少し評価されてもいいのにねぇ。もったいない。
てる

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