このレビューはネタバレを含みます
ルパン三世が謎の泥棒稼業組織「ザ・ワークス」に所属しているという謎の設定からして妙だ。
俺の知ってるルパン三世はもうちょっと自由気ままな奴だったような気がするけど、原作にこれといった思い入れはないのでここはスルー。
さて、ルパンと組んだら無敵と言われているイケメン泥棒マイケルは心にずっと闇を抱えていた。
というのも、マイケルも所属する「ザ・ワークス」のトップは、かつて仲間だったマイケルの父を見殺しにしたというのだ。
機が熟したと見るや否や「ザ・ワークス」の大御所が一堂に会する瞬間を狙って、マイケルは計画を実行する(その計画がなんだったのかは忘れた)。
しかしそこで誤ってマイケルの部下が「ザ・ワークス」のトップを殺してしまい、ルパンに恨みを買ったマイケルはその後一年間姿を眩ますことに。
マイケルは名前をチャンに変えて、亡き父が果たせなかった「宝石とネックレスに分かれたものすっごいお宝」を完成させるべく、お宝の片割れを持つジジイと取引を行おうとする。
だがそこで真相が発覚。実はマイケルの父を殺したのはそのジジイであり、「ザ・ワークス」のトップを誤って殺した部下は裏切り者だったのだ。彼は元からジジイの部下で、マイケルをずっと騙していたのだ!
結果、お宝の片割れを逆に奪われる形となったマイケルは意気消沈。
そんな彼は、同じく真相を知ったルパン三世と手を組むことを決意するのであった……「ジジイをギャフンと言わせて、お宝も頂戴するぜ!」
……と、ここまで書いたらおわかりいただけると思うのだが、本作の主人公は多分ルパンじゃなくてマイケルである。
じゃあタイトルだって「マイケル二世」でいいじゃない! これルパン三世が主役じゃない時点でルパン三世である必要がないよ!
折角衣装は原作から上手いこと実写に落とし込んでいるし、キャストの演技もすごく「っぽい」のに、話の根幹にいるのはマイケルなのだ。
誰だよお前! 一人だけスカしたロン毛でむしろ違和感しかないよ!
というわけで『ルパン三世』の実写版としてこれはちょっとダメなんじゃなかろうか。
もちろんストーリーもアクションも編集もてんでダメダメだけど、それ以前の問題というか。