めかぽしや

イーダのめかぽしやのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.1
1960年代初頭のポーランド、共産党の時代。
世俗からも切り離された修道院で見習い尼僧で孤児のアンナはある日、叔母がいる事を知らされる。
修道女の誓いを立てる前にアンナは叔母に会いに行く事になる。

叔母に会う事を半ば嫌々だったアンナ。
叔母、ヴァンダに「あなたの本当の名前はイーダ、ユダヤ人なの」と教えられる。
なぜ孤児になったのか?
2人はアンナの両親の墓を探す旅に出るが・・・。


アンナとヴァンダの対比が印象的だった。
大きな深い瞳に寡黙で純白なアンナ。
一方、ヴァンダは“赤いヴァンダ”とあだ名が付くほどの敏腕判事。酒、タバコ、男に溺れる気ままな暮らしをしていた。


ポーランド国民はナチスドイツの被害者だった。
収容所に送られたユダヤ人の土地をポーランド人が横取りしていまい、戦後ユダヤ人が戻らないように迫害をする加害者にもなってしまう。
そして、共産党もそれに助長してしまう歴史がある。

そんな背景。
アンナとヴァンダの目的の旅が困難であったのも容易に想像できる。
ヴァンダも生きにくい世の中だっただろう。


旅の途中に出会ったサックスプレーヤーの男性。
女として惹かれるアンナと宗教観の狭間に揺れる心。
ヴァンダと出会い、旅をして、自分のルーツを知り、世俗を垣間見たアンナ。
そして出した答え。


画面の下の方に人物を配置したり、
常に上(天)を意識させる映像が素晴らしかった。
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