なべちゃん

チョコレートドーナツのなべちゃんのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
3.9
「同性愛を隠さない生き方を子供が普通だと考え...」

舞台は1979のカリフォルニア。主人公の二人は作中の言い方で「ゲイのカップル」です。ダウン症の子どもであるマルコの母親が薬物使用で逮捕されたことで、二人がマルコを保護しようと奮闘します。

海外の方が日本より姓に対して寛容だと思っていたのですが、当時は酷かったのですね。今でこそLGBTと言うものが認知され、著名人のカミングアウトなどもあり昔よりは理解が進んできたと思います。しかし、この時代にLGBTであることは、周りから奇異の目で見られ、同僚に知られたらどう思われるかと怯えながら生きていくことを意味します。二人の本当の味方は何人いたのでしょう。冷静な目で判断していたのはマルコの学校ぐらいでしょか。

この差別の酷いところは、LGBTへの差別心を持っていない人に対しても奇異の目を向けるところですね。あなたそんな考え方で大丈夫なんですか、という具合に。それは社会的な踏み絵のようであり、冷静な判断を遠ざけてしまう行為です。

LGBTという言葉が最近になって浸透したように、私たちの日常の中にもまだ世間に認知されていない差別で苦しんでいる人がいるのかもしれないことを忘れてはいけないですね。
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