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チョコレートドーナツのakihiko810のレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5
原題は「Any Day Now(いつの日にか)」。

1970年代のカリフォルニアを舞台に、歌手を夢見てショーパブで女装パフォーマーとして働く同性愛者のルディが、ショーパブの客で恋仲となった検察官のポールと共に、母親が薬物所持で逮捕されたアパートの隣家に住むダウン症の少年マルコを育てる中でマイノリティーが故に直面する問題と葛藤する様を描いたヒューマンドラマ。

これは傑作。実話を元にしたそうで、それだけにハッピーエンドにならなかったラストが苦い。
ネグレクトされていたダウン症のマルコを病院に連れていく際、医者に「大学に行くことも就労することもかないませんよ。それがダウン症です」と言われる場面に胸が痛んだ。今は知らんが、これが当時の現実だったのだろう。
役者陣も上手く、ゲイでショーパブ歌手のドナテロ役をアラン・カミングはとてもうまくこなしていた。私の知らない役者で、こういった名園の出来る人をみつけるのは楽しい。
ラスト、アラン・カミングの歌う「I Shall Be Released」(ボブディランの曲。映画タイトルはこの歌詞から)は、とても胸に叩きつけられた。原題どおり「いつの日にか」差別や偏見のない社会ができあがることを望む。
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