初っ端から独自の解釈で推し進める強引さで？…？？と疑問続きだったけども大きく道を外れない真摯な物語だったなというのが総意。大変にファンタジークロニクルで大変に面白かった。
聖書の創世記からここまで脚色して矛盾点や疑問点を独自の解釈で違和感をできるだけなくして繰り広げられる"ノアの箱舟"。その映像世界に酔いしれた。
祝福されて産み出されたはずの人類が1番の汚点で汚れなきものは"生物"のみであるという真実にノアに課せられる人の人の手による後始末。その重い解釈は素晴らしいものがあった。
何より、これからの聖書歴の路程で堕落の禍根を残すハムの心情を見事に丁寧に描いていたと思う！
終焉の洪水が1番のハイライトになるはずをきちんとその中の箱舟の中の葛藤や悶着をきちんと脚色して描いてるのが良かった。大概の人はそこに退屈を感じてしまうかも知れないけど、そこを評価したい。
締め方も大変良かった。心を鬼して神から授かった使命を全うしようとするノアに。人間の未熟だからこそ選択肢が与えられそれを選びとる権利があると暗にキリスト教批判をぶちかますような総結に漲るエネルギーを感じた。
俳優陣の鬼気迫る演技も総合して素晴らしい。
