針

天使のはらわた 赤い淫画の針のレビュー・感想・評価

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)
3.0
日活ロマンポルノ「天使のはらわた」シリーズの一作。自分が観るのは三作目です。
デパートの売り子をしている名美は、ある日友人に騙されてポルノ雑誌(ビニ本)の被写体のバイトをさせられてしまう。そしてその本を見たある男が名美の周りをうろつくようになる……。

自分が今まで観た『赤い教室』、『名美』と比べると一番ストレートにエロいかもしれません。あと自慰のシーンが多いのも印象的。しかし他の二作にあった“撮る撮られる”/“見る見られる”ことの非対称的な加害性みたいな構図は形だけのもので、何度か挿入されるムーディーな曲も相まって全体的になんだかゆるい。ビニ本が結ぶ淡い恋みたいなストーリーも、男性側から見ても女性側から見てもファンタジーじゃないかなーと。まぁどちらかと言うと男性側の妄想か。
てか性描写が激しいしショッキングなシーンもあるけど、全体のトーンはストーカー版のトレンディドラマみたいな感じで、妙に軽いしノンキなのよね。後半から終盤にかけてが特に顕著で、展開が急すぎるしリアリティもないんだけど、ギャグだと考えるとけっこう笑えるシーンではありました😆

うーん、個人的には『赤い教室』みたく観てるこちらにまでダメージを与えてくれるような感じが好みなんだけど(どんな好みだ😐)、実はこれぐらいの軽めのトーンのほうがロマンポルノとしては「正解」だったりするのかも。はっきりしたことは自分には分かりませんが。それに一作ごとに監督が違うようなので、同じものを押しつけるのもどうかとは思うし。

あとやたらと炬燵が登場する炬燵ポルノでもあって、一点すごく印象的な部分があったのでそちらはコメントに。
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