Gatt

ジャッジ 裁かれる判事のGattのレビュー・感想・評価

ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)
4.2
もう9年も前の映画になってしまうのですね。
久しぶりの再鑑賞ですが、当時以上の感動を覚えて、大切な一本になりました。

超凄腕弁護士ハンク(ロバート・ダウニー・Jr)は、その正義は別として、才能で多くの裁判で勝利を収めていた。
ある日、実家の母親が心臓発作にて急死の連絡が入る。
久しぶりに戻った実家での葬儀。40年以上も判事を務める父親(ロバート・デュヴァル)は、地元では有名な人間だが、2人には親子としての大きな確執があった。
予想通り喧嘩になり飛び乗った飛行機。そこに兄(ヴィンセント・ドノフリオ)から一本の電話が入る。父ジョセフが轢き逃げの罪で捕まったという。被害者は過去に、父が懲役20年の刑を言い渡した殺人者だった。

映画は、父親が有罪か無罪かの軸をベースに進むものの、2人の根強い確執と親子の絆、兄弟愛がグッと感じられる一本です。
キャスティングも良くて、
検事がビリー・ボブ・ソーントン。クールで腹の中謎めいた感じがロバート・ダウニー・Jrの感情直球路線と対をなす感じで好き。
最初の頼りない若手弁護士の兄ちゃんも いじり甲斐ある役回りで楽しいし、
ヴェラ・ファーミガは魅力的な元カノで、地元に戻ったならではのアクセントになってます。

でもやっぱりロバート・デュヴァルの老いても良さを増す名優ぶりは、一番の魅力です。人生を積み上げて来た貫禄の頑固さ。田舎の権威ある爺さん。家父長。自然体で魅せてしまってる、そう見えます。病に蝕まれるシーンもリアル。

ロバート・ダウニー・Jrを集中的に見て来ましたが、この作品が一番好きです。軽薄で感情的な彼の魅力。どちらかというと個人的には好きじゃない方だったのだけど、今はそこが寧ろ好きになりました。
前にこの映画を観た時はマーベルも佳境に入って来た頃で、延長線上の演技にしか感じてなかったかもしれません。でもとんでもなく彼らしく表情ある演技が、今回はとても良く感じました。
大人になって分かち合える父子の確執。コレも ブロマンスの一種とも思ってしまうのです。
Gatt

Gatt