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ノーマル・ハートのGattのレビュー・感想・評価

ノーマル・ハート(2014年製作の映画)
3.8
「glee」のライアン・マーフィ監督。元々は舞台だったものをテレビ映画として放送したものらしい。U-next 独占配信中。
AIDSが「ゲイの病気」だった時期。

1981年、ゲイたちの間に謎の伝染病が広がっていた。医師(ジュリア・ロバーツ)から不治の病であり、"ゲイの癌"と呼ばれるほど、性感染によって広がっていることを取材で知ったジャーナリストのネッド(マーク・ラファロ)は、どうにか仲間達の啓蒙に走ろうとする。しかし自治体やアンチゲイの世間からは、まともな対応をしてもらえない。当事者のゲイたちでさえ理解されていなかった。
この状況を打破すべく、ネッドは仲間達と共にGMHC(Gay Men's Health Crisis)を設立、ホットラインで患者を支えようとするが、原因も治療法もわからぬまま感染者は身近にも広がっていく。強硬的なネッドの態度にも、皆辟易していた。

確かに当時、同性愛者の病気として海外で流行しているというニュースはあった。
小学生の僕には、AIDSというその病気は、恐ろしいけれど日本では遠いものだった。
そして日本人第一号の男性が、カミングアウトして記者会見していたのも覚えている。
日本では女性の感染も報道が続いて、不特定多数の性交渉による病気という感じでした。

ゲイの間に流行ったから、行政も動きが鈍かった。差別も加速する中、ゲイであることを公言している人と、隠しながら生きている仲間たちとの間の状況差も露骨にあったろう。
神が同性愛者を滅ぼそうとしていると思って差別観を掲げた保守派もいただろうし。

コロナでも差別があった。ターゲットはアジア人だった。「お前たちが勝手に持ち込んだ」身近になれば誰かのせいと攻撃もする。でも皆んな支えが欲しい程不安しかなかったのも事実。

チャリティーパーティで男性クワイアが歌う曲はガーシュウィンなんですね。“The Man I Love”一番ほっとして聞き惚れました。

ジュリア・ロバーツやマット・ボーマー他、テレビ映画だけじゃ勿体無いクオリティの演技力の高さ。ラファロも熱かったです。
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