エディ

スウィング・オブ・ザ・デッドのエディのレビュー・感想・評価

1.3
ゾンビウィルスの広がりで人類の過半が突如消えたときに、生き残った元野球選手の二人がゾンビから逃れるために旅を続けるロードムービー。文明が荒廃した理由の説明は何も無くいきなり誰も居ない中で二人の会話が延々と続き、時折現れるゾンビを殺すだけの単調な映画。インディーズによる低予算映画だが、着想は面白いモノの正直アマチュアレベルに思えてしまった。

ミッキーとベンは、以前はプロ野球選手で中継ぎ投手と正捕手の関係だったが、人類の過半が消滅後は町を渡り歩きながら、誰もいない民家で物資を補給し続ける日々を送っている。定住せずに回遊魚のように動き回る生活をしているのは、かつてミッキー家族の家で隠れ住んでいたのだがゾンビの大集団に母や弟を殺されたためだ。しかし、ミッキーは安住できない日々や恋人を失った悲しみから逃れることが出来なかった。
そんなある日、たまたま手に入れたトランシーバーに別の人たちの交信が混線したことで、ミッキーは二人だけの世界から逃れ、女性もいる集団に匿ってもらうことを焦がれるようになる。。。

時折襲ってくるゾンビ以外は、誰も居ない草むらや民家での二人の会話やキャッチボールが延々と続くだけなので、スリルはないし、孤独さや絶望も感じない。こんなシーンが映画の半分程度続くのだが、ここで何を伝えたいのか判らないため、いかにも素人的な映画だなと思ってしまった。
一転して後半は、別の人たちに会うが危機に陥る。しかし、この集団が所属しているであろう謎の組織がどういうものかは最後まで明らかにならないので、ここでも何を伝えたいのかわかり難い。

大切なのは二人の絆で、人数が多くても何者か判らない連中は危険ということが言いたいのか?

しかし、後半は大量のゾンビが車の周りを取り囲み、不気味な声を数十分もあげ続けるだけの知恵を絞っていないセンス悪い映画になっている。ここでも恐怖は全く感じない。

いくら低予算のインディーズでももう少し描写できるだろう?素人的な脚本と素人的な演技によるどうしょうもない映画だなと、観ていて情けなくなった。

しかも、この邦題はふざけすぎている。原題は投手と捕手を意味する「The Battery」なのに、いかにも原題のままのような邦題をつけている理由はただ一つ。

名作のゾンビコメディである「ショーン・オブ・ザ・デッド」と似せて興味を引こうという魂胆だと思う。

客を騙すかのような邦題の付けかたも内容もかなり嫌いな部類だ。
エディ

エディ