饂飩粉

フライト・ゲームの饂飩粉のレビュー・感想・評価

フライト・ゲーム(2014年製作の映画)
3.8
『NON STOP』という原題に相応しい、息もつかせぬサスペンス・アクションであった。
 監督のジャウマ・コレット=セラは『アンノウン』でもリーアム・ニーソンを起用したサスペンス・アクションを撮っていたが、今回も出来のいい作品に仕上がっている。

 航空保安官のリーアムはいつものように一般乗客に紛れて飛行機に搭乗し、飛行機の安全を乗客の視点から守っている。
 そんなリーアムの、航空保安官専用回線のLINEみたいなやつに「指定の口座に1億5000万ドル振り込まないと20分ごとに人を殺す」という連絡が入る。
 リーアムがその大きな手で小さなキーボードをチマチマ叩く姿は微笑ましいのだが、状況は非常にデンジャラス。
 上官に電話でかけあっても真面目に取り合ってもらえない。
 そして最初の警告から20分が経過したとき、そこには一人の死体が――

 という具合の導入。ここからはもうまさにノンストップ。
 20分ごとに迫るカウントダウン。犯人は乗客の中にいるらしく、誰を信用すればいいかわからない(なんかジュリアン・ムーアがさりげなく乗ってるし!)。
 単独での犯人捜しを続ける中で、カウントダウン以外にも様々な問題がリーアム・ニーソンに襲い掛かる。そして、目を逸らし続けてきたリーアム自身の過去も明らかになってゆく……。
 犯人は誰なのか? フライトは大丈夫なのか? 何よりも今回のリーアムの過去とは?

 個人的にグッときたシーンは、リーアムが乗客に向けて自分自身を語るスピーチを行う場面。ああいう自分をさらけ出すような展開は目頭が熱くなる……。
 クライマックスのアクションシーンも恐ろしくカッチョイイ。すっかり「メチャクチャ強いパパ」キャラが定着しつつあるリーアム・ニーソンだが、面白いので今後とも続けていただきたいスタンスである。
饂飩粉

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