めしいらず

世界の果ての通学路のめしいらずのレビュー・感想・評価

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
1.8
20kmもの過酷な道のりを数時間かけて学校へと毎日通学する世界各地の少年少女たちのドキュメンタリー。危険な野生動物のいるサバンナを抜ける。友らと山脈を越えてひた歩く。車椅子の兄を弟二人が押して進む。平原を馬で駆ける。彼らは一様にそれを苦にするところがない。それが皆の当たり前なのだ。学習を志す子供たちのキラキラした目が印象的。本当にみんな可愛らしい。ただし。過酷な道行きを更に過酷に見せようとする数々の演出が頂けない。多分そこにいない象から逃げさせられ、トラックはいかにも都合悪く道を塞ぎ、普段は通らない川で立ち往生し、車椅子のタイヤは外れる。乗せてくれたトラックの運転手が途中で祈りを捧げているのを、遅刻しそうな少女らが見下ろしている演出は如何なものか。作り手側の対象への敬意のなさが其処此処に垣間見えて嫌な気分にさせられる。せっかくの着眼の良さを台無しにしている。
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