Risa

デカメロンのRisaのネタバレレビュー・内容・結末

デカメロン(1970年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

パゾリー二!なんと 観たことなかったです。芸術の秋にきっと ぴったり パゾリーニを何本か観よう!

さて、こちら、ボッカチオ作のデカメロンの中の話をオムニバス形式で映画にしたもの。なんと下劣な、コメディ、、。

どうも神様は何でも許してくれるらしい。


1つ目の話は
馬を探しに市場へ来たら、美女に騙されて 汚物溜めに落ちて金を騙し取られる話。ではなく、そこから、汚物にまみれたお陰でルビーを手に入れるんです。騙した美女も、ルビーを手に入れた男もハッピーエンドを迎えます。
そう言えば、汚物が金になるのはホーリーマウンテン。やっぱり ちょっと無理があるな。わらしべ長者とは一緒には出来ない、独特な文化なのかしら。

2つ目
口の聞けない障害者だと装い、修道院でお世話になるなり、修道女達の相手する男の話。
予定通りだったのに実際に10人も相手をするのは大変で 困り果て 家に帰りたい男、だが、仕事はしなくて良いからと言われ、家に帰れなくされたスケコマシ。
もはや奴隷に思えてくるんですが、スケコマシにとっても、修道院の皆んなにとってもハッピーエンド

修道女が 無邪気に ねっ転び ワンピースをたくし上げる姿は パゾリーニ、なかなかの悪ふざけ バチでも当たりそうですよ 本当に。

3つ目
旦那が働きに出ている間に 若い男と不倫している妻、急に旦那が家に帰ってくるものだから 若い男を大きな壺を買いに来たのだと説明するが、若い男は壺の中が汚いから買えないと、、
旦那が中を綺麗にしようと 壺の中で作業をしているその壺の外側で 旦那に声をかけながら せっせと、、ハッピーエンド

人がすっぽり入る程の大きな壺を用意するあたりが良いです。絵的に魅力的。

4つ目
少年までもを襲う極悪男が、死に間際まで 嘘八百。遠い街で死期を迎え、純真な男を装い、神父は感動の涙で死を見届けます。
神父は 街の人間に この素晴らしい人を見て自分を恥じよと伝え、皆は 死んだ彼に触れて 死を惜しまれるというハッピーエンド

街を出た後の芝生のシーンがとても好きです。色使いも素敵。


5つ目
テラスで彼と内緒の密会中 両親にバレるが、彼はお金持ちだった為に結婚して責任を取ってもらうハッピーエンド
2人が寝ている姿 とても美しいです。
さらに、チェック柄になるように生地を縫い付けた掛け布団なんかも◎!
ベットの前のカーテンもいい。

両親達のベットルームも可愛らしい

6つ目、
恋人をシスコンな兄達に殺され、妹は愛する人の首を持ち帰り 植木鉢に入れる話。
こればかりは ハッピーエンドとは言えません。妹 自ら 恋人の死体の首を切るんです、、妹の表情は常に悲しげでありながら 安定そのもの。怖いくらいに。
なんとも 焼きつくお話。
恐ろしいことをしてるのに、美しさをまとってます。

7つ目
若い妻に馬になる魔法をかける話。
こりゃ ひどい、若い妻を旦那の目の前で 馬になる魔法をかけるからと、若い妻を裸にさせ、四つん這いにさせ、、さぁ、さぁら重要な尻尾を付けますとさ、、
友人の結婚パーティーの風景 雰囲気良し◎!

8つ目
弟の奥さんと寝る男が閻魔様に 許され、同居人が 不倫に真っ向に走る話。
これも、ある意味ハッピーエンドと言えます。


あれれ?話は7つと聞いたけど、8つ?
Risa

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