茶一郎

6才のボクが、大人になるまで。の茶一郎のレビュー・感想・評価

4.4
今年、あらゆる賞レースを独走している作品。
12年間に亘り同じ主要キャストを撮り続けるという頭がおかしいとしか言えない企画を見事に成功に導き、一生に一本しか出逢えない特筆すべき映画になっている。
21世紀を代表するクールなフィルムメーカー:リチャード・リンクレーターは少年の自我の形成までの「時間」を見事に切り取り、特別な映画体験を与えてくれる機会を作り出した。

同監督の「スクール・オブ・ロック」でも見れる子役の扱い方の上手さはもちろん、ビフォア三部作で見れたキャラクターの実在感はやっぱり最高。
次のカットで声変わりしているメイソンに驚き。
主人公のメイソンが巣立つ場面は、つい母親目線になり感動。

偶然にも、主人公メイソン役のエラー・コルトレーンと僕が同い年ということもあり、「僕が鼻くそをほじっていたころにこんな素晴らしい作品作りに携わっていたのか!?」と微かに嫉妬。
いつか大人になってから、おじさん目線でこの映画を見返す時こそ、この映画が真の映画体験を与えてくれる、そんな気がしました。
茶一郎

茶一郎