ショウコ

肉のショウコのレビュー・感想・評価

(2013年製作の映画)
3.7
原題「私たちは私たちよ✊」って自己肯定してるのかと思ってましたが、どっちかって言うと自分たちの本質を知ってしまった「諦め」の意味に読んだ方が良さそう

食人ですが、喰われる側ではなく喰う側目線の映画でした。ママが病気で死んじゃったというスタート。車とかシリアルみたいな食べ物があるので時代設定はそう昔じゃないけどゴシック生活してるファミリーの話

雨が降り続くOPからとても美しいです。ママの仕事を受け継ぐ事と処女性(姉ちゃんは処女じゃないかも!)を絡めようとしてるのか、どの場面も光を抑えてて、美人姉妹の白い肌にぼんやり浮き出る陰影をこれでもかと魅力的に撮ってます。監督さんは照明技師をやっていたんだそうで俺のウデを見ろと言わんばかり。質素な生活にもピッタリ噛み合っており曇天に沈んだ鬱ムードが堪りません。これで人間を喰う話をやるんだから侮れないわぁ✨と言ってもグロは間接描写に留まる

昔からの伝統を守るガンコパパからの解放、自由を掴む子供たちの成長物語…として見ると味わいがあります🍲
「飽食の時代、生命維持の為ではなくただのイニシエーションに過ぎないと思ったけど結局遺伝子に刷り込まれた欲求には抗えない。己に気付いてしまった彼等はこの先も喰っていくのだろう…」ってとこかしら🤔ラストで日記も映してたし

クールー病について調べるキッカケになったのは大収穫です!共喰いを防ぐガード機能ってやつか凄いな人間
ショウコ

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