フランクが文字通り四六時中被っているはりぼてマスクはシュールな笑いを誘いつつ、切ないことこの上ない。エキセントリックな彼の謎を解き明かしたいという欲望一心で観てしまう。
フランクたちのバンドが奏でる音楽ははっきり言って心地よいものじゃない。いやむしろむちゃくちゃに聞こえる。音をただ無作為にかき鳴らしてるだけみたい。凡人ジョンは音楽性よりも、その訳の分からなさ自体にアートを見出したようだった。ある種あこがれ？ ついでに言うとバント名“ソロンフォルブス”もアバンギャルド〜。
ジョンは自分に起こる事、感じる事は逐一Twitterで報告。そして十数人しかいないフォロワーに浅〜く弄ばれて…そこがまた一凡人らしさ満点でなんとも切ない。映画でTwitterをこういうふうに使うのはとても新鮮で面白かった。
ただ、最後までのらりくらりしすぎで深みに欠けるような…。ジョンの一般大衆感覚がアーティスティックなソロンフォルブスを揺り動かすのがポイントなんだろうけど、期待したほど胸に響かなかったかなぁ。マスクを被ってしか自己表現できないフランクの心にもっともっと寄り添える描き方をしてほしかった。
いかにもインディーズでカルト的な雰囲気は好き。
